赤城さんち。

気になることを好きなだけ。つまり雑記。

ライブの爆音から耳を守ろう! イヤープロテクターのすすめ

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好きなミュージシャンのライブに行きたいけど、大音響で耳を悪くしないか心配・・・ライブ後はいつも耳に違和感がある・・・

このように感じている人は意外と多く、ライブの大音響による聴力への悪影響は残念ながら無視できません。私自身、学生時代にライブにたくさん参加して持病の難聴を悪化させてしまった経験があり「もうライブには一生行かない」と心に誓ったこともありました。
しかし現在は耳への不安もなく、楽しくライブに参加できています。

その理由は【イヤープロテクター】をつけること。

ライブ用のイヤープロテクターを装着することで、大音響による耳への負担を軽減させることができるのです。今回は、生まれつき難聴のわたくし赤城が、実際にイヤープロテクターを使った感想を交えて、イヤープロテクターの必要性と大音響から耳を守る大切さをお伝えしていきます!

 

耳と音の関係

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なぜ大きな音を聞くと耳が悪くなる可能性があるのか。また、ライブの音響が耳にどんな影響を及ぼすのか見ていきましょう。

・大音響で耳が悪くなるメカニズム

耳に入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。しかし、自動車の騒音程度である85db(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こしてしまいます。WHO(世界保健機関)では、80dbで一週間当たり40時間以上、98dbで一週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています。なお、100db以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。

(出典:小川郁.ヘッドホン難聴について.e-ヘルスネット . 厚生労働省.2019) 

 

ライブなどの大音響によって引き起こされる聴覚障害を『音響性外傷、音響性難聴』と言います。大きな音を聞いて耳に違和感を覚えるのは、細胞が傷ついてしまうから。
100db以上だと急な難聴が生じるリスクもあるということですが、一般的なライブではどのくらいの音量が出ているのでしょうか?

・日常生活とライブでのdb差

db(デシベル)とは、音の強さを表す単位、または音圧レベルの単位のことです。
私たちの日常で何気なく耳に入ってくる音の大きさは40~70dbほど。それ以上になると「うるさい」と感じるようになり、たとえば救急車のサイレンは80dbです。そして、ライブでの音量は100~120db。会場の環境や音楽のジャンルによって差はあるものの、100db以上は出ているという見解が多いです。

つまり、先ほどの厚生労働省の解説と照らし合わせれば、1回のライブで難聴を引き起こしてしまう可能性は十分にあるのです。
もちろん個人差があり、頻繁にライブに行く人がみんな難聴かといったら、そんなことはありません。
しかし「大音響に耳が慣れる」ということはなく、内耳の細胞が確実に傷ついているということ、将来的に難聴になるリスクを抱えているということは知っておいていただきたいのです。

 

イヤープロテクターを使おう

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ライブの爆音を長時間聴いていると、聴力の低下に繋がってしまう危険があります。
音響性外傷や音響性難聴を防ぐために、イヤープロテクターは有用なアイテムです。

・イヤープロテクターとは

イヤープロテクターとは【耳栓】のことです。音楽用や射撃用など、それぞれの用途専用に作られている高性能耳栓です。ライブに行く全員にイヤープロテクターをおすすめするわけではありません。
耳に何もつけずにライブを楽しめるならそれに越したことはないですし、耳栓そのものを嫌がる人もいます。

 

・大音響に耳が耐えられるか不安

・普段から聴覚が敏感、または耳が弱いと感じている

・ライブに行くたびに耳に違和感が残る

・すでに聴覚障害がある

 

上記のように耳に関して心配な要素のある人には、イヤープロテクターの着用をおすすめします。


・普通の耳栓との違い

耳栓というと、ウレタン製やスポンジ製のものがよく知られていると思います。100円ショップにも売っているので手軽に購入できますよね。

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いわゆる普通の耳栓とイヤープロテクター、なにが違うのかご説明します。
一般的な耳栓は物理的に耳穴をふさぐことにより、外部からの音そのものを聞こえにくくしてくれるものです。しかしそれでは単純な遮音ですから、音がくぐもってしまい音楽を聴くのには適していません。
イヤープロテクターは専用のフィルターが不要な音圧(デシベル)をカットしてくれる構造になっています。ですから、イヤープロテクターをつけていても日常生活レベルの音は変わらず聞こえるのです。

ライブでは音質を損なうことなく大音量を抑え、高音域の聞きづらさも軽減してくれます。ただし、爆音で慣れている人にとっては物足りなく感じるかもしれません。

 

商品紹介

私が実際におすすめされて購入した耳栓タイプと、ヘッドフォンタイプをご紹介します。


・【CRESCENDO Music】

ライブ用イヤープロテクターとして、もっとも有名なのがこちらの商品ではないでしょうか?シリコン製のイヤープラグは様々な人の耳の大きさに合うよう、ラージサイズとミディアムサイズが1セットずつ入っています。専用のフィルターは約20dbの遮音で、たとえば110dbの大音響なら90dbまで下げてくれるということです(商品説明には19db遮音と記載)。

 

・【AVANTEK 防音イヤーマフ

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ヘッドホン型の防音イヤーマフです。遮音性が高く34dbをカット。
射撃、レース、読書、ライブ、機械の作業などあらゆるシーンで使えますが、こちらは物理的に音を聞こえにくくしてくれるものなので、音楽をクリアに聴きたい場合はあまり適していません。
しかし小さなお子さんには、耳栓タイプよりもこのようなイヤーマフが着用しやすくおすすめです。

実際に使ってみた

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上でご紹介した【CRESCENDO Music】をライブで使用した感想をご覧ください。

 

・使用した感想

耳の穴が小さい私は装着する際、毎回苦戦します。耳を上下に引っ張ったりしながらねじ込むのが良さそうです。慣れないうちはライブの開演15分前くらいから挑戦してみましょう。

会場はだいぶ客席が埋まりざわざわしている状態。場合によってはバックミュージックが流れていることもありますが、イヤープロテクターを装着してもそれらが遮音された感じは全くありません。

正直、本当にこれで大丈夫なの?と不安になりました。
そしてライブが始まった瞬間、面食らってしまいます。


「めちゃくちゃ音デカい!?!?」


体感としては、イヤープロテクターをつけずにいたライブと遜色なかったので、本当に効果があるのか完全に疑心暗鬼に。
しかし、数曲の爆音を聴き終えて暗転する際、静まった会場で変化を感じます。

もともと難聴で耳が弱い私は、いつも数曲聴くとひどい耳鳴りを起こし、音がこもって聞こえていたのですが、それらの症状が全く出ていませんでした。最後までライブを楽しみ、会場を出てイヤープロテクターを外すと、いつもと変わらない聴力を保っていることに驚いたのです。


【AVANTEK 防音イヤーマフ】は、やはり物理的に音が小さくなります。騒音対策には適していますが、音楽鑑賞には不向きかな、と感じました。
ただ、ライブハウスのスピーカー前など、とくに大音響を間近で聞く場合は耳栓タイプよりイヤーマフのほうが安全です。

 

・結論

耳に不安を抱えている人でも、イヤープロテクターがあれば爆音を気にせずにライブに参加できると、実際に使用してみて強く感じました。なにより、普通の耳栓と違い、音色を損ねずに大音響を楽しめるということが最大の利点です。

 

・イヤープロテクターのデメリット

いいことづくめに思えるイヤープロテクターですが、使ってみたからこそわかったデメリットもいくつかあったのでご紹介します。


・装着に慣れが必要
頻繁に装着するものではないので、毎回、悪戦苦闘してしまいます。耳穴が普通~大きめの人なら入りやすいのかもしれません。

 

・激しく動いたら外れる可能性も
ちゃんと耳にはまっていれば、飛び跳ねたくらいでは外れることはありませんでしたが、ヘッドバンキングをしたり、動きが激しいと外れてしまう可能性もあります。

 

・重低音には弱い印象
今回使用したイヤープロテクターは19dbまでカットしてくれますが、バスドラムやベースなどの重低音はかなり耳に響いた印象でした。
ライブ後に耳の異常は感じなかったので遮音はされているのでしょうが、重低音を多用するライブでは注意が必要だと感じました。



・自分の声が聞こえて恥ずかしい
ウレタン製やスポンジ製の耳栓とは違うものの、やはり耳をふさぐものですので、ひときわ自分の声が大きく聞こえます。ライブ中、叫んだりすると思った以上に自分の声が聞こえて、ちょっと恥ずかしかったです。


・すべての爆音を防いでくれるわけではない
イヤープロテクターは製品によってカットしてくれるdb数が異なります。仮に、120dbの大音響のなかで20db遮音してくれるイヤープロテクターを使ったとすると100dbは耳に届いてしまう計算なので、やや危険な気がします。
とくにロックのライブなどは遮音性の高いイヤープロテクターを選んだほうがいいでしょう。

まとめ

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一部のコアな音楽ファンからは「ライブで耳栓するなんて失礼だ、マナー違反だ」という声もいまだに少なくありません。
しかし近年では、ミュージシャン側からイヤープロテクターの着用をすすめるといった注意喚起も行われています。
今まで聴力への悪影響が心配でライブ観戦をためらっていた人、私のように耳が弱くライブに行くのをあきらめていた人へイヤープロテクターは非常に心強くおすすめです。

ただ、デメリットにも書いたように、用途に合わせて遮音数を選ぶ必要があります。

イヤープロテクターを正しく使用することで、あなたのミュージックライフはきっと豊かなものになるでしょう。
私はイヤープロテクターを使って3回ライブに行きましたが、耳に違和感を覚えたことはありません。これからも愛用していきます。
みなさんもライブに行く際は、イヤープロテクターを検討してみてはいかがでしょうか?