寂しいと淋しいの違い
とある記事を書こうとしていたとき『さびしい』という言葉を何気なく打ち込みました。
ご存じのように、さびしいには二つの漢字と読み方が存在します。
“寂しい”と“淋しい”
“さびしい”と“さみしい”
これらはどのように使い分けるのが適切か、知っていますか?
どちらをどのような場面で使うべきか迷ってしまう場合『寂しい』を選ぶのが正解です。
『寂しい』には『淋しい』の意味も含まれているからです。
では、このふたつの漢字の『さびしい』にはそれぞれどんな意味があり、どう使い分けることができるのか見ていきましょう。
①『寂しい』
物足りなさ、ひっそりとした様子、孤独感など、幅広い意味をあらわします。
例としては
「風景が寂しい」
「財布が寂しい」
「友達に会えなくて寂しい」
など、静か、殺風景、心もとない、孤独な心境といった“さびしい”表現の全般に使える言葉です。
②『淋しい』
サンズイが付けられていることから水をあらわす漢字で、涙を流すほどの孤独という意味合いを持っています。
例としては
「淋しい人生」
「誰もいなくて淋しい」
「家族と離れて淋しい」
など、心理的な孤独感をあらわしますが、『寂しい』に置き換えても意味は変わらないので違和感はありません。
常用漢字では『寂』しか採用されておらず『淋』という漢字は人名用漢字です。
ですので公的文書や新聞、学校のテストなどに『淋しい』を使用すると間違いとみなされてしまうことがあります。
ライターとして記事を書く場合は『寂しい』もしくは『さびしい』と表記しましょう。
私的な文章や文学書などでは場面によって使い分けても問題ありません。
読み方は『さぶし』から『さびし』に転じた言葉で、テレビやラジオでは『さびしい』と使われ、そちらが正しい発音です。
しかし今では『さみしい』も広く使用されており、辞書にも両方の読み方で掲載されています。
口頭ではどちらを使っても間違いではありません。
『寂しい』と『淋しい』の使い分け、お分かりになりましたか?
正しい文章を書くには『寂しい(さびしい)』と表記することを覚えておきましょう。
誤字脱字のない文章は、それだけで信ぴょう性を増すものです。
正しい日本語を使って、信頼される記事を書けるように心がけましょう。
(参考:実用日本語表現辞典)